クレームという言葉は英語のclaimのことであり、本来は「要求」や「主張」を意味します。日本では意味が敷衍されており、商品やサービスへの苦情を言うことや、それらの改善を要求することを指して使われるのが一般的です。
クレームには、主として次の2種類があります。
・正当なクレーム
1つ目は理不尽な内容ではない、いわゆる正当な内容のクレームです。スタッフの接遇態度が悪かった、販売されていた製品に不具合があった、サービス内容に説明不足な点があった、事実と異なることを間違えて伝えてしまった…といったことへの苦情がこのケースに当てはまるでしょう。会社・店舗側に非があるクレームと言い換えることもできます。
・悪質なクレーム
もう1つは、顧客・取引先の一方的な主張に基づく悪質なクレームです。商品の到着時刻が少し遅れただけで返金を要求する、不快な思いをしたことによる慰謝料を請求する、などが例として挙げられます。不当に金銭を支払わせようとするのが、悪質なクレームの特徴です。また、土下座によって相手を屈服させようとするタイプのクレームも含まれます。
どうしてクレームを受けるとつらい気持ちになるのでしょうか。考えられる原因を以下に紹介します。
・心身の状態に変化が起こるから
人間は恐怖を感じると、全身に緊張が走ります。その結果として体が硬直したり、顔がこわばったり、あるいは息が荒くなったりといった反応が出ることがあります。一種の防衛本能とも考えられますが、こうした状態になるのは当然ながら精神的にも肉体的にも苦しいことです。委縮することで上手く話せなくなったり、パニックでどうすれば良いかわからなくなったりして、さらに心理的な負荷がかかることもあります。こうしたことから、恐怖心に基づく心身の状態変化は、クレームをつらいと感じる原因の1つに数えることができるでしょう。
・自分が攻撃されるから
もしクレーマーが怒鳴っているのがテレビドラマの一場面だとしたら、上記のような心身への影響はそれほどないと考えられます。なぜなら自分はその場面の当事者ではない上に、そもそも現実世界で体験していることでもないからです。
ところが実際のクレーム対応の仕事は現実に起こっている出来事であり、他の誰でもなく自分自身が攻撃の対象になります。他人事ではないからこそ恐怖心を抱き、つらさを感じるのです。
パワハラは決して放置していてはいけない問題で、そのままにしておいては被害に遭っている方に深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。信頼できる第三者に相談をしたり、現状の記録を証拠として残しておくなどして、改善を図る努力をしましょう。